6/3 坪谷

実は身体の70%がエロいことでできてる坪谷です。


残りの30%?
エロいことに決まってんだろ!!

昨日は横浜で行われているアフリカフェスタに行き、帰りに中華街に行ってきました。

人類発祥の地と言われるアフリカは個人的にいつか行ってみたい土地でもあるので、その文化や趣向に触れられる機会はなかなかに無いもので、貴重な一日でした。
ある一点を除けば。


会場はイベントステージ、企業ブース、フードコート、そしてアフリカ各国毎にブースが設けられている作りになっている。国ブースでは郷土民芸品や地産の食料品などの店頭販売や出し物が展開されていて、スタッフや店の人の大半はアフリカ系であろう黒人さんたちであふれている。
その場の特別感やノリとでもいうか、とにかく旅行気分というものに弱い自分は土産屋さんの類いに一歩踏み入れるとタダでは帰れたことが無く、己のライブ感を満たすべく「とりあえず何か買っていくか」という気になってしまう。


そして出来事はザンビア出店のストーン系のアクセサリーショップで起きた。
その店は、貸し出しされたであろう商品を陳列するための大きな透明ケースを除けば、さながら土産市場の通り出店をそのまま切り取ったかのような景色であり、ケースの上には木彫りのキリンやシマウマなどの置物、でんでん太鼓のような形をした小さい打楽器、なんだかよくわからん仮面まで、品々が所狭しと並べられていて(というより散らばっていて)、その様は、アフリカっていったらこう、っていうくらいの予想通りなオーガニック感に満ちていた。

私はどの商品にも値札がないことに気がつく。つまり欲しいものがあったら聴くしかない。
私はずさんな置かれ方をした石系ネックレスたちのごろごろとした小山の中から、私を呼んでいる一つを取り出す。パッションオレンジの石が魅力的かつ無骨で嫌らしくない、少なくとも私の目には魅力に映るエモノだった。
それを持ち、商品ケースの前で構えている幾人かのスタッフたちに
「ハウマッチ?」と尋ねる。店々を見ているうちに、日本語が通じないことはわかっていた。

私から手前の、パイプ椅子に腰掛けたガタイのいいスキンのにいちゃんが、奥川のドレッド髪を束ねたふくよかなおばちゃんと目を合わせる。
「...トゥーサウザンド」
おお、やっぱりそれなりに取るものなんだなと思いつつ財布を開いて英世を探すと、
「ノー、ノー! テイク アラウンド、テイク アラウンド!」
と、二人が身振りで「カウンターの中まで周り込んで来い」と促す。
言われるままにスキン兄の隣のパイプ椅子に座らされると、客側からは見えなかった、乱雑に書類の積み重なったカウンターの中を指し、「ここに金を置け」と言われる。
なんだなんだ、ザンビアでは人に金銭取引を見られてはいけない文化でもあるのかといぶかしみながらも、英世を取り出す私。

ここで最大の失敗を犯す。
あろうことか私は、ほんとに2000ポッキリだろうか、実は税込みとか言われるんじゃなかろうか、とかいう思考が頭をよぎり、私は英世を3人、取り出してしまった!
するとスキン兄は私の手から3人の英世をもぎ取ると、鮮やかな流れ作業のように先ほどのネックレスを小さい袋に突っ込むと、それをカウンターの中の散乱した書類の上に投げ出して笑顔で告げた。
「センキュー!」

...

...ん?
アレ〜...
と思いつつも、なんというか、あまりにその当たり前過ぎる流れの中でというか、
淡々としたやり取りの中で私は、まあ結論から言うと流されてしまいました。


3人の英世と引き換えに手に入れたこの首輪の石たちの原価のことや、まあ1000円をアフリカに寄付したと考えれば...とか、中華街の安食べ放題の店で私は物思いに耽っていたが、

とにかく私の脳裏には「トゥーサウザンド」というおばちゃんの声がいまだに反芻している...。
6/3。