10/2 つぼや

8年前か〜。
リアル中学生だった当時、自分が大好きだったネット漫画がありました。

それが現在ニコニコ静画で加筆を加えて復刻連載中なのです。
しかも原作小説の文庫版が今月出るとか。

これはもう、書かざるをえない。
よく考えたらブログにこの作品のこと書くの二度目だしどんだけ必死なんだよって感じだけど生暖かい目で見守ってください。


(※ちょっとシモイ内容が含まれます。)

キャッチャー・イン・ザ・トイレット!

キャッチャー・イン・ザ・トイレット!

上のは文庫版ではないですが、原作の小説です。
http://seiga.nicovideo.jp/comic/6164?track=list
現在ニコニコ静画で連載されているもののURL↑(無料で全話読めます!)

書籍化にともなって「キャッチャー・イン・ザ・トイレット」という題名を冠した本作ですが...原題は、その名も「オナニーマスター黒沢」というなんともとっつき辛すぎる名前。

元はネット小説が原作となっていて、それがまたネット有志によって漫画化されたものなのですが、驚くべきは商業誌にも劣らない画力のクオリティと、「連載漫画的な」おもしろさで、当時は2chまとめサイトにもvipのスレが立ったりしてて結構話題になっていました、はず。


学園青春モノです。
中学校の女子トイレで自慰をすることが生き甲斐の主人公・黒沢が、クラスのいじめられっこ・北原にその行為を知られる...という前触れだけでも拒否反応が出そうなあらすじですが...
タイトルからは想像も出来ないくらいに、物語の描き方がとてもシリアスでドラマチック。

言ってしまうと、作中でこの主人公が恋をするのですが、その青春の中での葛藤や人物の心理模様がとてもリアルに、かつ漫画的に描かれていて、
当時リアル中学生だった自分は、もう毎日のように更新を楽しみにして、家に帰ったらサイトをチェックする、そのぐらいに面白いと思わされる作品でした。間違いなくこの漫画と、原作者の作品に出会っていなければ、今の自分はいなかった。

そもそも何でこの黒沢という作品のことを書きたくなったのかというと、
ちょうど今日見た映画の「クロニクル」が予想以上に「青春モノ」だったことに感化されたからなのですね。
その部分を除けば全然ジャンルは違うけど、なんか、作品の憂いを帯びた感じとかが似てたんです。
世間的なタブーを作中に含んだ青春モノというと、ちょっと映画の「愛のむきだし」の質感にも近いものがあるかもしれない。どこかフランクなノリなんだけど、物語の本質は至って摯実なところとか。
それでいて、20ページ前後で話を展開するような、漫画的な読み感は「週刊少年ジャンプ」的。


この漫画を描いた横田卓馬さん、驚くべきはこの黒沢を描いていた当時はまだ19とか20歳くらいだったという事実。いくらネット漫画とはいえその歳でネットを騒がせるくらいのものを描いたってのはやっぱりどう考えてもすごい...。
横田さん、週刊少年ジャンプでの連載を目指すため、黒沢を掲載していたサイトを閉鎖するのを時は心底ショックだった。その後は「ぬらりひょんの孫」でアシスタントやったりして、現在はヤングマガジンで連載を持っているようですが。


とにかく、「黒沢」、漫画版も小説も本当におすすめの作品です!
現在なら漫画版が途中までだけど無料で読めるし、文庫も出るので機会があれば是非知ってもらいたいです。

キャッチャー・イン・ザ・トイレット! (双葉文庫)

キャッチャー・イン・ザ・トイレット! (双葉文庫)